2024年7月1日 万能。

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Nikon D850 PC-E85mm


NIKKOR Z 24-120mm f/4Sである。


内緒の話だけど、、実はズームレンズで「製品写真」を撮ってしまった。世が世なら4x5(シノゴ)で臨むところ35(サンゴー)で、然も事もあろうにズームレンズで撮影してしまった。


カメラがサンゴーだった点は、まあ、デジタルフォトの世が世だからそう言うものだ。シノゴに比べ小さな画面で浅い絞りで被写界深度が得られる。即ち少ない光量、つまりカメラを含めコンパクトなセッテイングで撮影出来る事は何よりの利点だ。取り敢えず4500万画素有れば製品写真にもそう不足は無い。だからそれは良い。問題はレンズだ。ブツ写真の場合選択するのは単焦点レンズである事が言わば定石である。それは、アオリが使える事やそれ以上に、シンプルな設計のレンズの方が各種収差の不安が少なくカタチや細部が重要な特にブツ写真には有利だからという理屈で、要はズームレンズはどうしても性能がと言う思い込みが理由だ。


ザッとライト回りをセットして、被写体の大きさに対し経験値に基づいた焦点距離の単焦点レンズを装着してファインダーを覗いた。ところがそこに見える被写体が予想以上に大きく、つまりヒキが足りない状態なのである。長年培った感覚を失ったかと失望しつつ広めのレンズとしてやむ無く交換したのがこのレンズだ。ちなみに、何らかの操作ミスでAPS-Cサイズにクロップされていたのが画角が狭かった理由であって、それに気が付いたのはシャッターを切る直前に、ニコンで言うところのDXサイズ警告点滅をファインダー右上にやっと見つけたからである。


果たして、このズームレンズで撮られた「製品写真」は何の問題も無かった。ミラーレスカメラになってニコンもRAWデータにも積極的にカメラ内でのデジタル補正を埋め込んでいる様子で、ズームだからと懸念されるような欠点は見つからない。そもそも24-70mmでもう少し長さがと言ういつもの不満の解消を期待して購入したレンズだ。開放F値が4である事はEVFでもあるし、120mmまでF4である事で不足は無い。だからここまで開放から均一でシャープでコントラストに満ちた写りである事は予想以上だ。それが意図的か機械的限界かは解らないけれどテレ側で少し緩くなる写りもヒトを写す上では悪くは無い。


良いレンズだ。超広角から望遠まで、そしてビックリするほど寄れてキチンと写る。万能レンズだ。ただRAW動画の編集中デジタルドーピング以前の歪曲した広角画像に少し手こずる事も有るけれど。